小説の表紙に使用される写真の扱いについて
カメラ:Df、 レンズ:SIGMA 20mm F1.8 EX DG、ISO:200、絞り優先、ブラケット:-2〜+2、ホワイトバランス:オート
たまに何を買うでもなく書店をブラブラするんですが、表紙にストックフォトを使用してる小説が結構あるなぁという印象。ほうほう勉強になるなとニヤニヤしてるここ数年ですが、先日綿矢りさを魅力的に紹介した読み物を見る機会があり、あぁ読んだことないな読みたいなぁとブックオフへ足を運び、棚から適当に一冊お買い上げ。タイトルは『かわいそうだね』だった。ウチで読むのも何だから、コメダにてどりゃどりゃと表紙から巻末まで読了。したけど読んでる最中、ずーっと釈然としなくて内容がすんなり浸透してこない。
なんでか気がつくまで半日くらいかかった。表紙に使用されている写真が、意図された角度よりも時計回りに 90度回転してるのだ。まんず気持ち悪い。花の集合にパンプスが無造作に置かれている写真なのだけど、一見わからないんだけど、感じた違和感をずーっと引きずって読んでた。
芥川賞作家でしょう。何万部も平積みされるレベルの発行部数でしょう。それだけ多くの人目に触れることを考えても、読む人の心を自由にするための小説としても、あまりにお粗末な表紙の扱いである。いやちょっと待て、ひょっとしてそういう仕掛けなのか、と思い 90度反時計回転させてしげしげと眺めるも何の発見もなく、中間あたりで開いて伏せ置き、本全体を縦に俯瞰しても何も見えてこない。なんだこれは。たぶん私は同氏の新刊は買わないだろうなと思った瞬間でもある。
そんなに読書経験ないからわかんないけど、先人達は表紙をそんな扱いしたろうか。例えば居酒屋で注文したほっけの開きが、皮が上向きに出てきたらどう思うのか。坂口安吾はアタマから丸かじりしそうだけども。そんなことよりピアノ・ソナタのニ短調がなぜ40分に及ぶのか気にならない? とか言いながら箸でコンキリエを小器用に食べだす人もいそうだけど。
作家は文章で勝負だろうが。表紙なんて気にするんじゃねぇよ。しかあり。しかし私にとっては三遊間ガラ空き文壇感に不安を覚えた一冊でした。表紙からずっとドキドキさせてよ。ねぇ。
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